
本記事はiphone/Android/PC用アプリ『cluster(クラスター)』内で公開されており、10/26~10/31までハロウィンイベントを実施している電子空間『バーチャル渋谷』について記載しています。
はじめに
2020年5月19日、国内での外出自粛が続く中、オンライン上で渋谷に出かけられる新たなサービスがKDDI株式会社、一般社団法人未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会を中心とした参画企業50社で組織される『渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト』から提供されました。
これまでオンラインで提供されるバーチャル空間と言うと、過去にココア社が運営していた『meet-me』(2007~2018)や、米リンデンラボの『Second Life』(2003~)といったメタバースと呼ばれる仮想空間を舞台にしたオンラインゲームがブームを引き起こしており、現実社会と同じように経済活動が行われる空間が創造されていく様子に世界が注目していました。
過去の記事を漁ってみると、2007年には日本テレビが番組全編をSecondlife上で収録するという意欲的な企画が実施されており、当時の仮想空間に対する企業の入れ込み具合が見て取れます。
しかし、ゲーム側から提供される目標が存在せず、クリエイター志向のプレイヤー向けに作られたsecondlifeは一般層に浸透することなく、そのブームは一過性のものとなり一部の熱狂的なプレイヤーが電子世界へ留まることとなりました。


東京23区を再現したmeet-meに関しても、キングスフィールドやアーマードコア、ソウルシリーズを手掛けたフロム・ソフトウェアが開発し、多くの大手企業が出資していました。
しかし、肝心のゲーム内容に関してプレイヤーからは『面白いこと以外何でもできるゲーム』と揶揄されたり、中心エリアから少し離れると、いくら歩いてもコピペされたテクスチャと地平線しか見えず、他プレイヤーと偶発的に出会う機会が非常に少ないため『核戦争後の世界』と言われてしまう始末。
日本人向けに作られたアバターの雰囲気や、ゲーム初心者でも受け身で参加でき、他のプレイヤー達とお祭り気分を味わうことの出来る公式イベントの多さはやや敷居の高めなsecondlifeと比較して個人的に高評価な点ではありましたが、やはり技術的な面やユーザーからの需要といった面でも時代を先取りし過ぎていたのでしょうか。
2016年に動画サイトを経由して流入したプレイヤー層の影響もあり、『基本的に人は集まるけど面白くない公式イベントが無いなら自分たちでイベントを開けば良いじゃない』と活動するユーザー達も増え、SNSとはまた異なるコミュニケーションツールとして再評価されつつあっただけに、サービス終了してしまったことは非常に残念です。

最近だとVtuberブームから3Dモデルの普及が広まり、作成or購入したアバターを使ってVR空間上でコミュニケーションが取れるVRChatが話題となりました。
今回紹介するバーチャル渋谷に関しても、性質としてはこれらのメタバースと同様、誰でもアバターを利用してバーチャル空間でコミュニケーションが取れるものとなっております。
アクセス方法
スマートフォンからはストア上で検索、PCからはcluster公式サイトへ移動してclusterのアプリをダウンロードしましょう。

PC版に関してはバーチャル渋谷ハロウィーンフェスの紹介ページから遊びに行くを選択し、スマホ版からは起動後ホーム画面上に表示されるバーチャル渋谷を選択してワールドへ入室しましょう。VRデバイスがあれば、より臨場感のある体験が可能です。

簡単な3つの手順で準備は完了!初回ログイン時にはApple/Google/twitter/facebookアカウントを利用した新規登録が要求されるので、事前に用意しておきましょう。
いざ渋谷区公認のバーチャル空間へ!








ゲーム内で撮影したスクリーンショットは作成したアカウントに紐付けられており、公式サイト右上に表示されるアイコンをクリック→写真からダウンロードすることが出来ました。
操作方法に関してはチュートリアルワールドも用意されており、操作に慣れるまでの敷居を下げる配慮が見て取れます。

おわりに
ZOOMを利用したWEB会議やテレワークの在宅勤務など、普段の仕事の中でも急速にバーチャルなコンテンツが身近に感じられるようになった現代で、今回のバーチャル渋谷については(リアル渋谷への外出自粛を推奨するといった意味で)社会的な貢献度の高さに注目しています。渋谷区の観光協会が当事業を公認したのもクラスターを防ぎたいという意図が一番にあったのではないでしょうか。